木造について
環境(エコ)にも人にもやさしい材料(マテリアル)である木(天然素材)と
上手につきあっていくことが私たちのこれからの生活のポイントです。
あたたかみを感じる素材
ふろばで、ひんやりしたタイルなどに触れないようにするためによく木製のスノコを使います。
タイルなどは木材に比べて熱の伝導性が高く、室温が低くなると急激に体温を奪うからです。
温度や熱の変化が伝わりにくい木材は、直接足や手が触れる場所に使えば快適性も向上します。
木と視覚
人が感じる光の色覚は、色の三属「色相(赤・青・黄といった色の違い)、
明度(色の明るさ)、彩度(あざやかさ、色みの強さ)」が関係します。
木の色は黄色や赤系統で、この色相は「暖色」と呼ばれています。
木材からあたたかさを感じる理由のひとつです。
また、明度が高い木は軽快さやすっきりした、明度が低い木からは重厚で深みのある印象を受けます。
彩度は多くの木が低く、落ち着いたイメージを与えてくれます。
吸湿性
木は自分で呼吸すると言われるほど吸湿性に優れた素材です。
湿気の多いときは吸湿し、乾燥すると適度な水分を放出するといった
室内の湿度調整をするので、湿気の多い日本にはぴったりの素材です。
耐久性
木は鉄に比べて火に弱い、というイメージがあるますが、実は鉄より火に強いとも言えます。
その理由は、火は酸素がないと燃えないという当たり前の性質にあります。
木は火がつくと表面が炭化して内部への酸素供給を断ち、
燃えにくくなるために強度は急激には下がりません。
ところが、鉄は600℃を超えると強度が低下しはじめ、720℃で変形が大きくなります。
また、木は腐りやすいと思われていますが、
「温度」「水分」「酸素」「栄養」の4つが揃わない限り腐朽菌は繁殖しません。
よく乾燥させるなど適切な処理を行えば、木は1000年を超える耐久性を発揮するのです。
目や耳に優しい
木には光に対する反射率が低いため目に優しく、
適度な吸音性があるため耳にも優しい素材です。
木の香り
木の香りはストレスを和らげる効果やリラックス効果を持っていることが実証されています。
それは香りの中に「フィトンチッド」という殺菌作用のある物質が含まれており、
建材となってもその香り成分が発散されるためです。
木の家には爽快感のある落ち着いた空気が立ち込めるのです。